戻る
精神分析入門
| タイトル | 著者 | 発表年 |
『精神分析入門<上>・<下>』 「Vorlesungen zur Einführung in die Psychoanalyse」 | ジグムンド・フロイド Sigmund Freud | 1917 |
一覧目次
- 第一部 失錯行為
- 第一講 序論
- 第ニ講 失錯行為
- 第三講 失錯行為(続き)
- 第四講 失錯行為(結び)
- 第二部 夢
- 第五講 諸困難と最初の接近
- 第六講 解釈の諸前提と技法
- 第七講 夢の顕現内容と潜在する夢の思考
- 第八講 小児の夢
- 第九講 夢の検閲
- 第十講 夢における象徴的表現
- 第十一講 夢の作業
- 第十二講 夢の実例の分析
- 第十三講 夢の太古的特徴と幼児性
- 第十四講 願望の充足
- 第十五講 不確かな点と批判
- 第三部 精神症学総論
- 第十六講 精神分析と精神医学
- 第十七講 症候の意味
- 第十八講 外傷への固定、無意識
- 第十九講 抵抗と抑圧
- 第二十講 人間の性生活
- 第二十一講 リビドーの発達と性的体制
- 第二十二講 発達および退行の観点 病因論
- 第二十三講 症候形成の経路
- 第二十四講 普通の神経質
- 第二十五講 不安
- 第二十六講 リビドー理論とナルチシズム
- 第二十七講 転移
- 第二十八講 分析療法
トップへ戻る
失錯行為
目次
第一講 序論
概要
P3-17
章のトップへ
第二講 失錯行為
概要
失錯行為の種類とその例、言い違いの原因について,P18-40
失錯行為の種類(p18-19)
普段は正しく話せる人が言い間違いをするのは・・・(p23)
- ちょっと気分が悪く疲れているとき
- 興奮している時
- 他のことにひどく心を奪われているとき
解釈(p23-p26)
- 「不快と循環障害(習慣に影響)」:正常な快い循環、状態を変に意識させその機能を損なわせる
- 「興奮や疲労や注意の偏向(注意に影響)」:精神生理学的な契機と呼べる。それは注意の分散が生じ、肝心の行為にはわずかばかりの注意しか向けられないため。軽い病気や中枢神経官の血行の変化も同一の結果をもたらす
- 行為は、注意力の増大によって保証されず、低下によって害われるものでもない
- 激しい訓練によって完全となっていても間違える危険に最もさらされている
- 多くの仕事はあまり高い注意が払われていない場合に特に確実にうまくゆく
- p25の例
| そういうピアニストでも、無論・・・、しかし自働的な演奏が弾き違える危険性を高めるものだとすれば、激しい練習によって完全に自働的に弾けるようになっている名手こそ弾き違える危険に最も晒されているということになるでしょう。 |
- p26の例:興奮が非常な関心をもって意図されている仕事に対してむしろ多くの注意力を集中するように作用しない例
メリンガ―とマイヤー(p29-p31)
- 1895年:言い違いの問題の検討⇒実例を集めて純記述的観点から記載
- メリンガーとマイヤーは「一つの語の音と綴りとは異なった価値を持っており高い価値を持った要素の神経支配(Innervation)は低い価値しか持たぬ要素の神経支配をかき乱す影響を与えるものと考える
⇒立論の根拠にしているのは頻繁には起こらない前響と後響
⇒言い違いの他の諸結果に対しては、このような綴りに対する音の優先は全く顧慮されていない。
- 最も頻繁に起こる言い違いは一つの語の代わりにそれによく似たある別の語を言う場合多くの人にとっては、この類似性を取り上げただけで言い違いは十分に説明できる。
つまり、言語の意味と発音が一致せず、発音に囚われて「どう発音するのか」という疑問への自答としての言葉を発するゆえの意味の履き違い
最もありふれ、最も目につく種類の言い違い(p31-p33)
- 言おうと思っていることの正反対を言ってしまう場合
- 音関係や類似性の作用とは関連が失われ、その代わりに対立するものは概念上相互に強い親近性を有し、心理的連想の中で特に近い関係があるという事実を引き合いに出すことができる
- 言い違いの原因としてあげられるもの
- 音関係
- 語の類似
- 語の連想の影響
- そして・・・
- その前にどんなことを話したか
- その前にどんなことを考えたか
- ※若干の実例では、言い違えて口にされた言葉もちゃんとした意味を持っている。
⇒言い違いの作用はそれ自身の目標を追う所のまともな心的行為であり、内容と意味を持った表現とさえ解されるのが至当である。
⇒つまり、失錯行為そのものが時には全く正規の行為であって、ただ予期ないし意図された他の行為に代わって現れただけのものであるかのように思われる。
実例
- 前後倒置(Vertauschung)
- 前響(Vorklang)
Es war mir auf der Brust so schwer. 私はひどく胸苦しい思いをした。 |
| ↕ |
|---|
Es war mir auf der Schwest. それは私の妹のものでした。 |
- 後響(Nachklang)
Ich fordere Sie auf,auf das Wohl unseres Chefs. (Ich fordere Sie auf,anstoßen unseres Chefs.) 諸君、我々の上司の健康を祝し、乾杯しましょう。 |
| ↕ |
|---|
Ich fordere Sie auf,aufzustoßen unseres Chefs. 諸君、我々の上司の健康を祝し、げっぷが出る |
- 混淆(Vermengung,Kontamination)
Wenn Sie gestatten,mein Fräulein,möchte ich Sie gerne Begleiten. お嬢さん、失礼ですがお伴させてください。 |
| ↕ |
|---|
Wenn Sie gestatten,mein Fräulein,möchte ich Sie gerne begleit-digen. Wenn Sie gestatten,mein Fräulein,möchte ich Sie gerne Beleidigen. お嬢さん、失礼ですが、侮辱したいです。 |
- 代理(Ersetzung,Substitution)
Ich gebe die Präparate in den Brütkasten. 標本を孵卵器の中に入れる。 |
| ↕ |
|---|
Ich gebe die Präparate in den Briefkasten. 標本をポストに入れる。 |
- 言おうと思っていることと正反対を言ってしまう場合①
Ich bin nicht geeignet,die Verdienste meines sehr geschätzten Vorgängers zu würdigen. 私は尊敬すべき前任者の功績を評価するには適しておりません。 |
| ↕ |
|---|
Ich bin nicht geneigt,die Verdienste meines sehr geschätzten Vorgängers zu würdigen. 私は尊敬すべき前任者の功績を評価する気にはなれません。 |
Beim weiblichen Genitale hat man trotz vieler Versuchungen...Pardon :Versuche... 女性の生殖器においては、多くの誘惑…いや失礼、多くの実験にもかかわらず…。 |
- 言おうと思っていることと正反対を言ってしまう場合②
Diesen reizenden Hut haben Sie sich wohl selbst aufgeputzt? その可愛い新しい帽子はご自分で飾りをお付けになったのでしょうね。 |
| ↕ |
|---|
Diesen reizenden Hut haben Sie sich wohl selbst aufgepatzt. その可愛い新しい帽子はご自分で台無しにしたのでしょうね。 |
- 言おうと思っていることと正反対を言ってしまう場合③
Der Doktor hat aber gesagt,er braucht keine Diät,er kann essen und trinken was ich will. うちの主人がお医者に、どんな食養生を守ったらよいかお訊ねしましたら、お医者のおっしゃるには、食養生など必要ない、私の好きなものなら何でもいただいて構わないんですって。(本当は「夫の好きな物(was er will)」 |
その他の例、引用
- シラー「ヴァレンタイン」
- ランクO.Rank⇒シェイクスピア「ヴェニスの商人」
- リヒテンベルク(1742~1799)
- p36 3行~p40 6行.「作家による言い違いを用いた表現」
章のトップへ
第三講 失錯行為(続き)
概要
失錯行為の固有の意味、心的過程の意味、二つの異なる意図および意向、オーメン(前兆)の一部が失錯行為であること,P41-71
前回
- 失錯行為を「本来意図した行為」に関係させず単独に考察
- 結果:失錯行為は個々の場合それぞれ固有の意味を表している。という印象を受けた。
まず心的過程の「意味(Sinn)」をどう解するか…(p41-)
- 答え:ある心的過程が使えている意図とその心的過程が一連の心的系列の中で占める位置ということ。
- つまり…「意味」という言葉は「意図(Absicht)」「意向(Tendenz)」という言葉に言い換えても差し支えない
失錯行為のうちにある意図、意向(前掲の言い違いの諸例)
- [対義]意図されたこととは反対のことが現れる場合
- 正反対の言葉と、そうならなかった場合の対立する意味
- [付加]いおうと思っていた意味に単純にある第二の意味を付け加える場合
- [抵抗]言い違いからは意味そのものが何一つ推察されず、従って我々の期待に頑強に抵抗する場合
- 固有名詞を言い曲げたり、ない語順で言ったり
- 3.の例
- 例1
| 自分の持ち馬の健康状態を尋ねられる |
| ↓ |
Ja,das draut......das dauert vielleicht noch einen Monat. (うん、まだ一か月はかかるだろうね) |
| ↓ |
| 君は一体何を言おうと思ったのか、と反問される |
| ↓ |
Das sei eine traurige Geschichte. (情けないはなしだ…と思っていた。) |
- 例2
| 自分が不承知の出来事を話して… |
| ↓ |
Dann aber sind Taesachen zum Vorschwein gekommen... (「Vorschwein」は「vorschein(出現)」と「Schweinerei(猥褻)」が一緒になったもの) |
| ↓ |
| なぜ言い違えたのか尋ねられて |
| ↓ |
| この出来事は、「Schweinereien(猥褻行為)」だと言おうと思った。 |
これらの実例から…(p45-p54)
- これらの実例から不明瞭な言い違いの場合も「話し手の二つの異なる意図」が衝突し干渉し合うのだということによって説明のつくことがわかる。
- つまり失錯行為は偶発事ではなく厳粛な心的行為であり、特有の意味を持ち二つの異なる意図の共同作用、むしろ拮抗作用によって生ずる
- 問題点
- あらゆる場合の言い違いを説明するものであるか:「この説明があらゆる場合の言い違いに当てはまると私が考えているのか、それともある一定数の場合にしか当てはまらないと考えているのか」
- 他の種類の失錯行為にもおし及ぼしてよいか:「同一の見解を、他のいろんな種類の失錯行為、すなわち読み違い、書き違い、失念、取り違い、置き忘れ等の上にもおし拡げてもよいものなのか」
- 血行障害、疲労、興奮、放心等の諸契機や注意力障害の理論、軽い不快感、血行障害、疲憊(ひはい)状態などに基づく「生理的要因の影響」は言い違いの起こる原因として、そのまま認めることができるが「失錯行為」の必須条件ではない
「これらの身体的諸契機には言い違いに特有の心的メカニズムを助けて働きやすくするという価値があるに過ぎない」
- 音の影響、語の類似性、およびそれらの語から生じがちな連想も重要なものとみなすべき。これらは言い違いに対し辿っていける道を指し示すことで、言い違いを起こりやすくする。
- ※哲学者ヴント「身体の疲憊の結果、連想傾向がそれ以外の話の志向を圧倒する際に言い違いは成立する」という説
⇒ある一連の場合においては言い違いを起こしyはすくする身体的条件が欠如し、他の一連の場合には言い違いを起こしやすい連想が見つからないことが気づかれる。(つまりどちらか一方でも成立する)
- どのようにして相互に干渉し合う二つの意向が確認されるか:「失錯行為の互いにせり合う二つの傾向のうち、一方はいつも明瞭なのに他方は必ずしも明瞭でないことはよくわかっているが、後者つまり不明瞭な傾向を読み取るにはどうすればよいか、そしてまた読み取ったと思っても、それが単に確からしいというだけでなく、それが唯一の正しいものだとどうやって証明するのか。…他の意図ないし意向をこのようにして妨害するのは、どんな種類の意図ないし意向であるのか、そして妨害する意向と妨害される意向との間にはどんな関係が存在するのか」
- 二つの意向の一方、すなわち妨害を受けた方の意向は常に疑いないものでしょう。失錯行為をおかす者はこの妨害された意向を知っており自分は本当はそちらを実行に移すつもりだったのだと認めるからです。
自論⇒これは、言葉を意識している可能性があり、この場合言葉本来の力を妨害している可能性がある(無意識に出る言葉が本来正しい言葉の在り方)
- 妨害する方の意向が本来の意向を歪曲するにすぎず、それ自身は全然表にでない場合には、その歪曲からどうして妨害する方の意向を察知したらよいでしょうか。
- ある操作が必要⇒なぜそういう言い違いをしたのか、その言い違いをどう説明できるかを、話し手に訊ねてみなければならない。
- もしそうしないと、話し手はおそらく自分の言い違いを素知らぬ顔でやり過ごしてしまい、それを解き明かそうとはしないだろう…
邪推深すぎるのではないか…
- 言い違いをした当人から聞き出した返事なんて、それほどあてにはならない。
- (p57,4行~9行):[内容は省略][自己解釈]二者の内一者が相手に肯定すると肯定し、否定すると否定するという一見単なる魂の反射のような現象が、その一者の考えるところの意図に賛同させたいという要求を満たそうとしているのではないかという疑問
- (p57,10行~14行):上記の勝手が許されるような例
- ◎(p58,3行~7行:一時的な妥協
- 失錯行為の意味を自ら承認する際には、それは何ら疑いを容れないということを認める。
- 被分析者が報告を拒む場合または報告すべきことを持ち合わせていない場合は、推測した意味を直接証明することは不可能と承認する。
- (p58,7行~p59,3行):間接証拠によって可能性を積することによって判断すること
- 2.の場合の間接証拠
- 失錯行為以外の減少との類比(アナロギー)
- 失錯行為の起こる心的状況、失錯行為を犯す人物の性格についての知識や失錯行為をする前に受けた印象、それに対する反応とそれについての知識など
- 2.の場合の間接証拠よって...
- 失錯行為の解釈
- 心的状況の検討
- 失錯行為による宣言が実行されるかを待つ
- 例:会社の幹部に
Vorschußmitglieder(貸出係員)と呼び掛けた。 「Vorstand(理事)」と「Ausschuß(委員会)」の合成か…「Vorschuß(立替金)」に関係のあることに基づくのか… ⇒背景には話してがいつも金に困っており、その頃丁度貸付金の申し込みをしたばかりだった事実があった。 |
諸例
- [p61,2行~5行]:ユング(C.G.Jung)の場合
- [p61,8行~11行]:ブリル(A.A.Brill)の場合
- [p62,6行~8行]:客を迎える主婦の例(客が来ると忘れていた)
- [p62,8行~12行]:恋人との約束を忘れた青年(ありそうもない故障をでっちあげる)
- [p62,12行~13行]:軍隊の場合(忘れたでは罪は免れない)
この手の失錯行為が深い意味を持っていて、その意味がどんなものであるかすべての人の意見は一致するがなぜ一貫してこの洞察を他の失錯行為にも完全にあてはまると承認しないのか。
- ⇒いろいろな計画を失念するのはその意味は明白なので心的状況の中に間接証拠を見出すためにはあまり訳立たない
- ⇒特に多義的で不明瞭な失錯行為[紛失と置き忘れの考察]
- 物の紛失に意図のある例
- [p64,1行~6行]:ダットネル(B.Dattner)による
- 物を紛失するのは(落としたり、壊したり、つぶしたりを含む)
- それをくれた人と仲違いをして、もはやその人のことなど思い出したくない場合
- その物自体がもはや嫌になって他のもっと良い物と取り換える口実をつくりたいと思っている場合
- [p65,1行~13行]:物の紛失の意向のもっともよい例
- フロイド『生活真理の錯誤』(Zur Psychopathologie des Alltagslebens)
- 失錯行為の意味を分析する上で精神分析を学ぶ準備として役立つもの
- いろんな失錯行為がかさなり合い、組み合わされている場合
- 失錯行為に含まれる意味そのものは洞察力の鈍い人にとってすら明白であっておのずと批判的な判断に迫られる。
- 失錯行為がつみかさなると、とうていまったくの偶然とは言えないような計画と呼ぶにふさわしいある執拗さが感じられる。
- 最後に、二、三種類の失錯行為が次々と続くと、その失錯行為の重要な本質をなしているものが明らかになって来る。
- すなわち、失錯行為の形式や失錯行為が利用する手段ではなく、失錯行為そのものを支配し様々な方法で実現されようと望む意図こそ、失錯行為の重要な本質。
- 例
- [p67,4行~10行]E.ジョーンズ(E.Jones)による
- [p67,11行~p68,3行]ライトレル(R.Reitler)による
- [p68,8行~p69,1行]フロイトの友人の例
- 後から起こる出来事によってわれわれの解釈が確認される場合
- 解釈が正しかったことが将来わかるような事例(現在の心的状況がわからない訊ねようがない)
- [p69,8行~14行]:若夫婦の例
- [p69,17行~p70,3行]:メーデル(A.Maeder)
- [p70,3行~7行]:結婚後も娘時代の性を著名する例
- [p70,8~11行]:
- これらの実例は古代人のオーメン(Omen)すなわち前兆にとって代わっている
⇒事実、オーメンの一部分は失錯行為に他ならない。例えば、誰かがつまずいたり、倒れたりした場合がそれにあたる。
- 主観的な行為:一部は主観的な行為という性格は帯びていない。
- 客観的な事件:行為は実にしばしば、受動的体験の仮面をかぶって行われることがある。
- [p70,12行~p71]最後重要
- 結論[自分のまとめ]:失錯行為の原因には様々なものがあるが、その意味(Sinn)は何らかの意図(Absicht)や意向(Tendenz)と同義で突き詰めると古代人のオーメン(前兆)と似ている
章のトップへ
第四講 失錯行為(結び)
概要
失錯行為が二つの意図の干渉によること、失錯行為の原因となる意向のグループ分け、言い違い、書き違い、読み違い、取り違えについて(すなわち一章で分類した失錯行為)の実例と分析、精神生活が矛盾を常に含むこと,P72-103
p72~
- すべての失錯行為が意味を含んでいると主張するのではない⇒われわれの目的にとってもそう主張する必要はないということ
- 「失錯行為」=心的行為、二つの意図の干渉によって生ずるという前提に立って話を進めてゆく
- 個々の心的表出に関する問題
- 身体的、器質的、物質的な影響から直接生じたものか
- 心的表出はその背後のどこかで一連の器質的な作用が始まっている他の心的過程からまず第一に導き出されるものか
- その現象は意味深いものであって、ある一つの「意味」を持っている
⇒意味→予告、意図、傾向、一連の心的関連の中に占める位置
失錯行為にきわめて近いが、最早失錯行為と呼ぶのにふさわしくない別種の現象
- 偶発行為(Zufallshandlungen)
- なんということもなく服装や身体の一部や、手時かな品物をいじったりする目的のない動作をしたり、かと思うとこれらの動作をやめてみたりすること、一人口ずさむメロディなど
- 症状行為(Symptomhandlungen)
- 上記の行為以外にも失錯行為と同様、動機のないもの、目立たないもの、重大でない物という性格
- その上、余計なものという性格がさらに明瞭に表れている
- 失錯行為と異なっている点
- それらの行為と衝突し、それによって妨害されるもう一つの意向が欠如している点
- 他方で情緒表現の一つに数えられる身振りや動作と連続して、その間に限界(境界)を見出せない。
失錯行為の二つの異なる意向
- 妨害される意向
- 妨害する意向
- 他方の意向の妨害者としてあらわれるのはどんな種類の意向であるかということ
- 妨害する意向と妨害される意向とはどのような関係にあるかということ
言い違いの場合
妨害する意向は妨害される意向と内容の点で関連性を持っていることがある。その際には全社は後者の反対、修正または補足の意味を含む
そうでないとき:妨害する意向は妨害される意向と内容上何の関係も持っていないこともある。(一層不明瞭で、それだけに一段と興味深い場合)
- 言い違いをして反対のことを言ってしまう場合は、ほとんどすべて、妨害する意向が妨害される意向の反対を表現しており、この場合の失錯行為は二つの相容れない志向の葛藤の表現。
自分の解釈:本来、相容れるゆえにそこにあり、また一致しないゆえに相容れたくない。
- 例(p76,6行~8行)
| 私欲を捨てて(in uneigennützigster Weise) |
| ↓ |
| 私欲をはかって(in eigennützigster Weise) |
- 例(p76,10行~13行)
ドイツ皇帝に…腹蔵なく(rückhaltlos) (1980年11月「ドイツ国会」) |
| ↓ |
| 背骨なく(rückgratlos) |
- これらの例は「言い違いはすべて妨害された意向の内容自体から生じるか、あるいはその内容に結びついている」
- 妨害する意向が妨害される意向の内容となんの関係もない場合:仮の解答→妨害は少し前に当人の心を奪っていたある思考過程に由来していて、それが話の中にすでに表現されたかどうかということとは無関係に言い違いという形で「後作用(Nachwirkung)」を及ぼすことがわかる。妨害は実際は後作用と呼ばれるべきだが、必ずしも口に出して発音された語の「後響(Nachklang)」であるとは限らない。
この場合にも妨害する意向と妨害される意向との間の連想上の繋がりは認められるが、そのつながりは内容の点ではなく外面的に(しばしば非常に不自然な連絡路を通って)できている。
- [p78,3行~16行]フロイトが観察した単純な実例
- [p78,17行~]さて、これでようやく長い間留保してきた、主要問題に向かうことができます。すなわち、どんな種類の意向が…もう一方の意向の妨害者として現れて来るのか、という問題です。
どんな種類の意向が他方の妨害者としてあらわれて来るか
言い違いについて付け加え[p85,3行]
- 「言い違いには、少しは興味のあるちょっとした「感情的表現」が結びついています。」
- 「誰も自ら好んで言い違いをする者はいないはずです」
- 「だから自分自身の言い違いに気が付かないことはよくありますが、他人の言い違いは決して聞き落さないのです」
- 「言い違いはまたある意味では「伝染性」のあるもので、自分では言い違いをしていない者が、その場で起こった他人の言い違いを云々するのは決して容易なことではありません。」
- 隠れた心的過程について、何ら特別の解明もできないような極めて些細な形の言い違いでも、やはりその動機を見抜くのは難しいことではありません。」
ある単語を話す際に生じた妨害の結果の言い違いについて[p85,10行~p86,2行]
- …ある長母音を短く発音してしまった者は、その代わりすぐそれに続く短母音を引き延ばし、前の言い違いを代償することによって新たな言い違いを犯します。
- こういう場合には、話し手が母国語の取り扱いに無関心でいると聞き手に思われたくないという顧慮が決定的な作用をしているように思われます。
- 最初の言い違いを償う第二の歪曲には、聞き手の注意を最初の歪曲に向けさせ、話し手である自分もそれに気付いていたのだということを相手に確信させようという意図がまさしく含まれています。
- 「最も頻度が高く最も単純で、最も些細な言い違いは、あまり目立たない品詞に現れる縮約と前響です。」
- 「例えば比較的長い文章の中で、自分がもくろんでいた話の最後にくる語を言い違えて先に言ってしまうことがあります。」
- 「そのような言い違いは、その文章を早く言ってしまいたいある種の焦燥感があるという印象を与え、一般にこの文章を話すことに対して、あるいはこの話全般に対して、ある種の抵抗があることを証明しています。」
自論:「これはその長さが『全部』に匹敵するかもしくは、それより長いステートメントであるため、文を言い終える際に得られる満足の契機がその時そこにある保証がないために焦燥感を催す。これはその語を発する権利がなく、いまだ未経験か、もしくはそれを発言するときが来ていないためである。いくらこれを学習しようとしても、構成主義的な言葉であるならばまだしも、真実の言葉は必ず必要な時にしか発言の機会を得られないためである。」
言い違いについて総括
- 「こうしてわれわれは言い違いの精神分析的な把握と一般生理学的な把握の間の差異が不分明となる境界領域に属する場合に到達します」
- これらの場合には、話の趣旨を「妨害する意向」が存在していると仮定します。
- その意向は単にそれが存在していることを示しうるだけでそれ自身「何を意図」しているかは示すことができません。
- その場合、その意向が引き起こす妨害は、なんらかの音の影響、または連想による牽引の結果であって、話の趣旨から注意力が他に転導されたのだと解することができます。
- しかしながら、注意力障害説も、有力に見える連想傾向説も共にその経過の本質をつくものではありません。
- まさしくこれは、話の意向を妨害しようとする意向が存在しているということを示唆するにとどまるもので、その意向の性質は今度だけは、言い違いの最も著しい特徴を持った諸ケースの場合と違ってその結果から推察することはできないのです。
書き違いの場合
- [p87,1行~]書き違いも何ら新しい観点を期待できないという限りでは言い違いと一致している。
- 「縮合」や「後にくる語、特に最後の語を先に書いてしまうこと」は一般に「書く気のしないこと」や「早く書き終えてしまいたい焦り」を一方で暗示している。
- 著しい効果を持った書き違いの場合:妨害する意向の性質と意図とがわかる。(おそらく書き違いが全く別の意味を示している場合など)
- 書き違いも言い違いと同様に「それをやった当人には気づかれない」もの
- 観察
- 手紙を書き終えると「投函する前に必ずもう一度目を通す習慣」を実行している人がいる。他の人達はそういう習慣を持たないが、たまたま例外的に目を通したりすると、必ず変な書き違いを発見して訂正することになる。これらの人たちは手紙を書いている時に自分が書き違いをしたのをまるで知っているかのように見える。そんなことは実際には信じられません。
- 「書き違いの実際上の意義と関連したある興味深い問題」[p87,15行~p89,6行]
- 細菌研究者を自称して研究所から極めて危険な病原菌の培養基を手に入れこれを使って身近な人々をこの最も現代的な方法で殺害したのです。
bei meinen Versuchen an Mäusen oder Meerschweinchen 二十日鼠やモルモットで実験したところが |
| ↓ |
bei meinen Versuchen an Menschen 人間で実験したところが |
- ※のち程心的存在と物的存在の差異を論ずるつもりですが、そうすれば皆さんもこの可能性について一層よく理解なさるでしょう。
読み違いの場合
- [p89,7行~p90,15行]
- 言い違いや書き違いとは明瞭に区別される「ある心的状況」に遭遇する
- 二つの意向の内、一方は「感覚刺激」によって代用されている。そのため、抵抗力は弱まっている
- 読む対象である文章は自己の精神生活の所産ではない⇔「書く場合と対比」(各場合は自己の精神生活から出ている)
→「読み違い」は完全な「置き換え(Substitution)」を本質としている
- 読み取られるべき語は別の語に代用されるわけですがその場合原文と読み違いの結果との間に内容上の関係がある必要はなく、一般に「語の類似性」によって言い違いは生じています。
→読み違いは「内容上の関係」ではなく「語の類似性」によって生じている
- 例:リヒテンベルグ
| angenommen(~と仮定すれば) |
| ↓ |
| Agamemnon(ギリシャ神話の英雄) |
- 読み違いを引き起こす妨害する方の意向を知りたいと思うときは、読み違えられた原文は放っておいても構わないのであって「次の二つの問題」から、分析的検討を始めればよいのです。
- 第一:読み違いの結果最も起こって来そうなこととしてどんな事柄を思いつくかということ
- 第二:どんな状況において読み違いが生じたかということ
- 例
| klosethaus(便所) ⇔ korsethaus(コルセット店) |
[p90,16行~p91,7行]「人の興味を引き心を奪っているもの」が、こうして「自分に無縁のもの」や、さらには「興味のないもの」に取って代わるのです。「思考の残像」が新しい知覚を曇らせるのです。
- 原文自体が「妨害する意向」を呼び覚まし、反対の内容のものに転化されるという別種の場合もないわけではない。
- 「何か望ましくないもの」を読まなければならない時、「拒否したいという強い願望」が作用して、そのために読み違いの起こることが分析によって確かめられている
- 最初に述べた比較的頻繁に起こる読み違いの諸例(語の類似)→失錯行為のメカニズムにおいて重大な役割を演じていると考えられた「二つの契機」①「二つの意向の葛藤」と②「一方の意向の抑制」(―この抑制は失錯行為の結果によって償われる―)は目につかない
- 読み違いはこの「二つの契機」と反対の事情が見出されるわけではないが、「読み違いを引き起こす思考内容の衝迫の方がその思考内容であらかじめ受けたであろう抑制よりも、はるかに目につく」
「二つの契機」は「失念による失錯行為」の様々な状況に際して最も明確にわれわれの眼に映じて来るもの
失念の場合
企図を失念する場合
- [p91,10~p92,1]企図を妨害する意向は常に「反対の意図」すなわちその企図が実行されるのを欲しないという気持ち→なぜそれが別のもっとあからさまな形で現れて来ないのかを知ることが課題
※「反対意志(Gegenwille)」の存在していることは疑う余地がない
- 「反対意志」を「無理やり押し隠してしまおうとする動機を、ある程度察知できる場合も少なからずある。
「反対意志」は隠れたままで、失錯行為を通じてその目的を達してしまうが、それが公然たる反対者としてあらわれて来ていたらきっと撥ね退けられるだろう。。。
- [p92,1~p92,6]企図を実行するまでに「心的状況」に「重大な変化」が起こる→結果として「企図の実行が不要になる」ような場合
⇒このような企図を失念してもそれは「失錯行為」にはならない
- [p92,7~p94,1]二つの点で失錯行為の「新しい事実」を学ぶことができる。
- 企図を失念して実行しないことはその企図に敵意を持つ反対意志が内心に存在していることを示している
⇒反対意志には二種類のものがある
- 直接の反対意志:
- 間接の反対意志:
- 実例1:「後見人が自分の被保護者を・・・また、必ず行くと相手に約束し、自分でもそのつもりでいたランデヴーを忘れる場合・・・。あるいはまた、手紙の投函を忘れる場合、・・・。」
- ⇒我々の正当な分析的解釈を適用する場合には、何といっても控えめに慎重にする必要がある。心理学的には同じ値打ちのものでも、実際上は極めて「多義性」に富んでいることがありうるからです。
- [p94,7~p94,11]先刻、「企図の失念の多義性」について論じましたが、それはあらかじめ当の事例の分析をしないで、われわれの立てた一般的諸前提だけで解釈するからそう言えるというに過ぎないのです。その当人について分析してみればそれが直接の反対意志であるか、それとも他のどこかに由来する、間接的な反対意志であるかは常にはっきりと知ることができるのです。
- ある企図の失念はその原因が反対意志に求められるのだということが多くの場合について実証されるなら被分析者が我々の推定する反対意志の存在を認めずに否定してしまうような他の一連の場合にも、この尺度を広げる勇気が湧いてきます。
- この例として借りた本を返すのを忘れたり、勘定や感情や借金を支払うのを忘れたりする、極めてありふれた出来事を考えてみましょう。
- 失錯行為についての我々の解釈は、すでに繰り返しその正統性を実証されましたが、この分析的な解釈を論理的に一貫して貫こうと思うなら、我々は不可避的に、人間には本人の自覚しないままに活動するいろんな「意向」が存在すると仮定せざるを得ません。しかしながらこう仮定することによって、われわれは実生活や心理学を支配している一切のものの考え方に対立するに至るのです。
固有名詞や変名、外来語の失念
- [p95,13~p96,2]固有名詞と変名や外来語の失念も、これと同義にその原因を直接または間接に当の名に向けられたある「反対意図(Gegenabsicht)」に帰することができます。反対意図として「直接的な嫌悪感」が働いている場合については、すでに前に一度いくつかの実例をお話ししました。しかし「間接的な原因」はこの場合特に沢山あって、それを確認するには多くは慎重な分析を必要とします。例えば、この戦時下では昔持っていたいろんな奇妙な連想のために自由に固有名詞を想起することも極めて困難になっています。
- この間、私は何でもないモラヴィアの町ビゼンツ(Bisenz)の名を思い出せなかったのですが、分析の結果、それはなんら直接的な敵意の性ではなく、平時なら私が何度も好んで滞在した、オルヴィエートにあるビゼンツィ(Bisenzi)宮殿の名に音が似ているためだったことが分かりました。
→自論:認識のためにある事柄についての感じが減ぜられている。
- このように「名前の想起を困難にする意向の動機」として、ここに初めて一つの原理が現れてきます。
『この原理は、神経症の症候の原因として大々的な意義を有するものであることを、のちにすっかり明らかにするつもりですが、その「原理」とはすなわち、「あることが不快感と結びついている場合」、「それを想起」すると、「この不快感が新しくよみがえってくる」ので、「それを思い出させる記憶」を「嫌悪する気持ち」が内心生ずるということです。想起その他の心的行為によってもたらされる「不快感を回避しようとするこの意図」、つまり不快からの「精神的逃避」を我々は単に名前の失念だけではなく、不履行や過失その他多くの失錯行為に対する究極の有力な動機と認めてよいと思います。』
名前の失念[p96,14~p97,3]
- しかし名前の失念は「精神生理学的な面」で特に容易に起こる可能性を持っていると思われます。したがって、不快の動機が混入しているのが証明されない場合にも起こります。ここにとかく名前を忘れがちな人があるとしますと皆さんは精神分析的な検討を加えることによって、その人が名前を忘れるのはそれらの名前事態を嫌っているとか、それらの名前が何か嫌なことを思い出させるとかのためだけでなく、その名前が自分と比較的関係の深い他の連想圏に属しているためでもあるということを確認できます。その名前はこの連想圏内にいわば個人保持されていて、現在起きてきそうな他の連想を受け付けないのです。
⇒自論:特別にしておいた連想、それは人生で事故にとって重要と位置付けられた経験と結びつくはずである。
- [p97,3~p97,17]記憶術のやり方を思い出される方なら、名前を忘れないようにしようという目的から、通例の場合わざと作り出す連想の連関のために、かえってその名前を忘れてしまう事実を知って、いささか不審の念を抱かれることでしょう。
- その最も顕著な例は人名であって、人名は当然のことながら、人それぞれによって全く違った各様の心的価値を持っているはずです。例えば・・・(ここから人名の例)
「人の名前について、その人を知らない人はその名前を忘れる気遣いはないが、知っている人はその人の名を他の人がつけるのを好まない傾向を持っている。というもの」
- ところで、この連想による制止が不快の原理の作用だけでなく、さらには「ある間接的なメカニズム」とも一致しうると仮定する時に、初めて皆さんは一時的な名前の失念にしても、その原因がいかに複雑なものであるか、はっきりおわかりになるでしょう。そうはいっても、適切な分析はこれらすべての錯綜した関係を余すところなく解明して見せてくれるのです。
印象や体験を忘れる場合
- いろんな印象や体験を忘れる場合は、それが「不快なものを記憶から遠ざけておきたい意向」の働きであることが、名前の失念の場合よりはるかに明瞭かつ画然と示されています。
- それはもちろんその全部が全部、失錯行為に属するのではなく、ただ我々の日常の体験の尺度に照らして、「それが奇妙でおかしい」と思われるときだけ失錯行為に入るのです。
- 例えば、「ごく新しい印象」や「大変重要な印象」を度忘れするとか、その印象が脱落したために普段よく覚えていた記憶の連鎖に穴が開いたりする場合がこれに当たります。
- そもそも我々はなぜ、またどういう風にして、一歳当時の出来事のような、たしかに最も深い印象を残した体験までも忘れることができるのかということは、まったく別個の問題であって、この問題では不快感情を防御しようという意向がある種の役割を果たしていますが、しかしそれだけで到底一切が説明しつくされるものではありません。不快な印象が忘れられやすいのは疑い得ない事実です。
- いろいろな心理学者がこの事実を認めていますし、また偉大なダーウィンはこの事実がから強い感銘を受けて、自分の理論に都合が悪いと思われる観察事項は、特に慎重にノートすることにして、これを「全科玉条」としていたほどでしたが、それはそういう観察事項こそ記憶に残りにくいものだと確信していたからです。
- [p98,15]忘れることによって記憶にまつわる不快さを防御するというこの原理を初めて耳にするものは、ほとんど必ずこれに異議を唱え、いやむしろ苦しいことこそ忘れ難いという経験を自分は舐めている、苦しいことは例えば侮辱や屈辱の思い出のように、当人の石に反して何度でも甦ってきてはその人を苦しめるから、忘れることはできないのだと主張します。⇒この場合は矛盾するものを受け入れている時である
- この事実もまた正しいのですが、しかしこの意義は的を外れています。「精神生活は相反する意向の戦場」ないし、角逐場である、あるいはダイナミックでない表現をすれば「精神生活は矛盾し合い、対立し合うものから成るという事実を早急に考慮し始めることが大切です。
- [p99,8]ある特定の意向が存在するのを証明したからと言って、それと対立する意向を閉め出すことには決してならないのであって、「二つの意向が存在する余地」はあるのです。
- ただ肝心なことは、対立する意向が「どのように作用しあうか」、一方からどんな作用が発し、他方の意向からどんな作用が発するかということです。
紛失と置き忘れ
- 紛失と置き忘れは、その多義性によって、つまりこれらの失錯行為を引き起こす意向の多様性のために、われわれにとって特に興味深いものがあります。すべての場合に共通な点は、ある物を紛失したいという気持ちが存在することですが、どんな理由から、どんな目的でそう望んだかという点になると、まちまちです。
- 一般に者を紛失する場合
- それが破損した時
- もっといいのと取り換えようと思う時
- それが気に入らなくなった時
- その贈り主との仲が悪くなった時
- あるいはそれを手に入れた時の事情を二度と思い出したくないと思っている時
- 等々
- 物を落としたり、傷づけたり、壊したりすることも、同じ目的に役立つことがあります。
- 世間「他人の手に押し付けられた私生児は正規の夫婦の間に生まれた子供よりずっと虚弱であるという経験的な事実」:この結果をいわゆる貰い子殺しのやる乱暴な育児の仕方の性にする必要はないのであって、細心を要する子供の世話に、どこか欠けるところがあったためだと考えればそれで十分のはずです。物の保管は、子供の保護とまったく同じだと言っていいでしょう。
- [p100,4]それからまた、物がその価値を少しも損なわれずに見失われてしまうように定められていることがあります。つまり、ある別の心配な損失を防ぐために、ある物を運命の犠牲に供しようという意図が存在する場合です。このような運がひらけるための厄払いは、精神分析によると「我々の間になお頻繁にみられること」であって、我々の紛失はそれゆえ自由意志に基づく犠牲であることが多いのです。同様に紛失は犯行と自己懲罰の目的から起こることもしばしばあり、要するに、紛失によって物を自分から遠ざけようとする意向にひそんでいる一般と深い動機は限りなくたくさんあるのです。
取り違え
- [p100,11~p101,5]取り違えは他の過失と同様に、「断念しなければならないような願望」を満たすためによく利用されます。その際、意図は「幸運なる偶然という仮面」をかぶります。
- 例(例えば―これは友人の一人に起こったことなのですが―)
- 『ひどく嫌な気持ちをおして汽車で近郊に住む人を訪問しなければならなくなったところ、乗換駅で記者を間違え、また元の町へ戻ってきてしまったという場合』
- 『旅行中、ある中間の駅にぜひともしばらくの間滞在したいと思ったが、一定の義務のためにそうするわけにゆかないとき、連絡する汽車を見過ごしたり乗り遅れたりして、やむなくそいこに臨み通り滞在せざるを得なくなったという場合』
- 例(これは私の患者の一人に遭ったことですが)
- 『恋人に電話するのを禁止して置いたところが、彼は私に電話をかけようと思って、「誤って」「うっかりして」、違った番号を言ったので、電話は突然、恋人の所にかかってしまいました。』
- 例「ある義姉が物品損傷事件にまつわる因縁について観察したこと」
(直接のし損ないについての微笑ましい実際上にも意味深い実例を提供してくれる)
結論(終わり)
- [p102,17~p103,8]われわれの目的に対して失錯行為が大きな価値をもっているとすればそれは失錯行為が非常に頻繁に起こると共にk、自分自身の経験として容易に観察できる現象であって、決して病気を前提として起こって来るものではないという点にあります。
- 終わりに、皆さんの抱いておられる未解決の疑問の内ただ一つだけを私が代わって述べてみましょう。すなわち、これまで多数の実例についてみて来たように、「人々は失錯行為をほとんど完全に理解して、時にはあたかも失錯行為の意味を隅から隅まで見抜いているような態度を示すのになぜその同一の現象を一般に偶然的で意味や意義のないものとみなし、失錯行為の精神分析的解明にかくも頑強に反対することができるのか、という疑問です。
章のトップへ
トップへ戻る
夢
目次
第五講 諸困難と最初の接近
概要
神経症患者の症状に意味があるという発見、夢にも意味があるという推測、夢の不確かさ、科学による夢の批判、昔の人の夢を生活に役立てた例、夢とは何か、睡眠とは何か、覚醒時との共通点と相違点
出だし
| ヨーゼフ・ブロイアー(Josef Breuer) | 1880~1882 | [p107,1~]かつて、ある種の神経症患者の悩む症状には意味があるという発見がなされた。 フロイト「精神分析について」「精神分析運動史」(1909) |
- それに基づいて、精神分析による治療法が樹立されこの治療中に患者は症状の代りに自分たちの見た夢の話をしました。こうして、これらの夢にもまた意味があるのではないかという推測が生じてきたわけです。
- [p107,5~p108,4]そして神経症の研究の準備として、夢が意味を持つことを立証したいと思います。
夢が意味を持つことを立証
- [p107,5~p108,4]そして神経症の研究の準備として、夢が意味を持つことを立証したいと思います。
- 夢の研究は神経症研究にとって最良の準備であるだけでなく、「夢そのものがまた一つの神経症的症状」であり、しかもすべての「健康人にも現れる」という計り知れない利点を持った症状だから
- もし仮にすべての人間が健康で、ただ夢を見るだけだとしたら、これまで神経症の研究によって獲得された洞察はほとんどすべて夢から得られていたことでしょう。
- [p108,5~8]夢は精神分析的研究の対象になりうる
- 夢も失錯行為同様、健康人に現れ一見実際上の価値がなく、取るに足りないありふれた現象。健康人にも現れる現象でないならば、失錯行為より条件が悪いことになる
- [p108,8~p109,1]夢の研究に対する言われ:「失錯行為はただ科学によって蔑ろにされていただけですし…」
- [p109,2~]夢の性質そのものが精密な研究に必要な条件をいっさい受け付けない。
- 「夢の研究」においては、研究対象すら曖昧。妄想は明確な輪郭を持って現れるが…
- 夢はたいていの場合決して他人に話すことができないもの ⇔ 見た夢を話すとき「その夢を見たままに話したという保証」がない
- 話している間に記憶の不確かさのためにやむを得ず内容を変えたり虚構を加えたりしている。
- ほとんどの夢は二度と思い出すことが出来ず「些細な断片」までも忘れられてしまう。
- ⇒上記にも関わらずこうした材料の解釈に基づいて、科学的な心理学や患者の治療法が打ち立てられるのか…
- [p109,14]「夢の不確かさ」→「夢の特性」の一つに過ぎない
事物に対して、こちらからその特性を規定してかかることはできない。しかし、「明瞭なはっきりした夢」も存在する。
- 精神医学の研究対象には、夢と同じあいまいという特性のために困難に遭遇しているものが他にもあります。例えば沢山の症例の中で「強迫観念」が認められますが、この研究には尊敬すべき著名な精神医学者たちがたずさわっている。
章のトップへ
第六講 解釈の諸前提と技法
章のトップへ
第七講 夢の顕現内容と潜在する夢の思考
章のトップへ
第八講 小児の夢
章のトップへ
第九講 夢の検閲
章のトップへ
第十講 夢における象徴的表現
章のトップへ
第十一講 夢の作業
章のトップへ
第十二講 夢の実例の分析
章のトップへ
第十三講 夢の太古的特徴と幼児性
章のトップへ
第十四講 願望の充足
章のトップへ
第十五講 不確かな点と批判
章のトップへ
トップへ戻る
精神症学総論
目次
第十六講 精神分析と精神医学
「神経症的な諸現象をどのように理解すべきか?」
「症候行為(sympotomhandlung)」の症例
| 例「フロイトの患者の些細な症候行為」(P9,1-P10,13) |
- この症候行為は偶然ではなく、動機、意味、意図を持っている
- はっきり決定できる心的関連に属している
- 些細な一徴候の背後にかなり重大な心的過程があることを示す
- 症候行為の形で示された過程は、当人には意識されていない
|
| 例「ある婦人患者についての観察」(P11,12-P14,1) |
- 心中を偽って表現していること
- 手紙の非難を信ずる気持ちを決して放棄していなかったこと
- 「嫉妬妄想(Eifersuchtswahn)」
→妄想が一定の現実に関係づけることで解決されないならば、その現実に由来する妄想ではない
- 無意識的な感情として重圧を及ぼしている
- 「移動のメカニズム(Verschiebungsmechanismus)」が関与している
【この症例について理解された点の総括】
- 妄想は一定の心的関連の中に属する感情を伴った立派な動機をもつ体験。
- 無意識的な心的過程の反応として必然的に生じたもの。
- この嫉妬妄想が他の妄想でない理由が疾病の背後にある体験によって明瞭に規定されている。
|
未解決の問題
- 幸福な夫人がなぜ婿に対する恋愛感情のとりこになったのか
→更年期の女性の性欲は突然昂進するもの
- なぜ自分の状態を夫の上に投影(Projektion)する形をとったのか
→夫は妻に満足を与えるだけの性的能力を持っていなかった。
精神医学と精神分析学との比較
| 精神医学 | 精神分析学 |
| 遺伝を引き合いに出して、極めて一般的で遠くかけ離れた原因を提示する |
妄想の内容にあるものを結びつける |
・これらは相補うもの、両者はむしろ最も効果的な形で両立するもの
総括
- 無意識的過程についての十分な知識がないところには、科学的に深められた精神医学もあり得ないという洞察が得られるのも、そう遠い時期ではあるまいと予見される。
- 精神分析学は妄想を治療できないが、病人の心の中に起こったことを理解することはできるが、それを病人自身に理解させる手段を持っていない
- 精神分析的により深く理解すればそれは、治療能力に変ずるのだという考えが事実証明された神経症的障害のグループが広範に存在する。これらの通例は非常に治療しにくい疾患の場合でもある種の条件の下においては内科的治療の領域における他のいかなる成功にも劣らないだけの効果を上げることがある。
章のトップへ
第十七講 症候の意味
前回の講義
- 臨床精神医学:個々の症候の減少形態と内容にほとんど注意を払わない
- 精神分析学:症候の現象形態と内容から出発し、症候には深い意味があって患者の体験と関連があるのを確認した。
人物の業績等
一覧参照
実例を使って
神経症の諸症候は失錯行為や夢と同様に意味を有し、当人の生活と関連性を持つ
→この洞察を実例を使ってもう少し詳しく見ていく
あらかじめ説明しておく必要がある…
| 強迫神経症の徴候 |
|---|
| 概要 | - ヒステリーに近いが、ヒステリーのように執拗で騒々しいものではなく、患者のある私的な出来事のような形をとり、身体症状として現れることをほとんど完全に放棄し、その症候の全てを心的な領域の上に生じさせる。
- 心的なものから身体的なものへの不可解な飛躍が認められず、精神分析的な努力によって、ヒステリーより更に明晰で内実のわかったもので、神経症のある種の極端な性格をよく現わしている。
|
|---|
| 症候 | - 患者が関心を持っていない思考に心を奪われて全く無縁と思われる衝動を感じ、それを実行しても何の喜びも感じないが、どうしても行為へと駆り立てられるというような症候を呈す。
- 思考(強迫観念)は、それ自体すでにばかげていることもあれば、当人にはどうでもよいものであったり、非常識で愚かしいものであることが多い。常にこれが出発点となって患者は張り詰めた思考活動の中にのめり込み、へとへとでもいやいやそれに没頭せざるを得ない。(あたかも自分の最も重要な人生の課題かのように自分の意志に反してあれこれ詮索したり、思い煩ったりする。)
- ばかげた物か恐ろしいもので、自分と無関係なものと否認し、衝動から逃げ回り、自由を禁圧し、放棄し、制限して、衝動を実行に移さないでおこうと努める。本当に一度も実行に移されず、結果は常に逃避と用心の勝利に終わる。
|
|---|
| 強迫行為 | - 何の害もない、まったく些細なもの、たいていは日常生活に見られる諸動作の繰り返し。
- 生活に不可欠な行為が極めて長時間を要する。
- ほとんど解決のしようがない課題になってしまう。
- 強迫神経症のすべての形式に共通した特徴は、十分明白で見誤ることはない。
- 合理的なことをやるように勧めるのも患者の役に立たず、患者自身できれば、そうしたいと思っていて、意識や思考力は通常通り明晰。
- 自分の症状には自覚があり、その判断を自ら示すこともあるが、ほかにどうすることもできない。
|
|---|
| 防衛 | - 患者にできることは「移動(Verschieben)」「交換(Vertauschen)」
- ある愚かしい観念の代わりに何らかの方法で和らげられた別の観念を抱き、ある用心や禁止を捨てて別の用心や禁止へ移り、ある儀式の代わりに別の儀式を行う。
- しかし、移動はできるが、これを捨てることはできない
- すべての症候をその本源的な形態から離れた物に移動することが主要性格
- それ以外に顕著なのは、心生活の中に広くいきわたっている諸対立(両極性)が特にはっきりと分離された形で現れて来ること。
- 積極的内容と消極的内容とを持つ強迫と並んで、知的な領域においては疑惑が頭をもたげ、それは通常最も確実と思われているものまでも、徐々に浸蝕して行く。その結果患者は全体としてますます不決断となり、無気力となり、自ら自由を制限してしまう。
|
|---|
| その他 | - 患者は、元来の素質としては非常に精力的な性格だったのであり、しばしば異常に頑固で、通例は人並みはずれた知的天分に恵まれている。
- 多くの場合、優れて高度の道徳的な発達水準にまで達しており、過度に良心的であり、人一倍几帳面であることが分かる。
- 「強迫神経症とヒステリー」この研究を基礎として最初に精神分析学が築き上げられた二形態。
|
|---|
強迫神経症の諸問題に現代の精神医学がどのような態度か…
- 種々の強迫現象に名称はつけているが、それ以外には何一つ言っていない。
- このような症候を持っている者は「変質者(Degenerierte)」であるという点を強調している。
→これはあまり満足できないやり方「価値判断」であり、説明ではなく判決
このような症候を示す人は他の人と違っているに相違ないと信じられている
→我々は反問したい
このような所症候が社会にとって有意義な特別に高い能力を持つ優秀な人々の間にも現れることを知るならばそのような特性の記述が正しい物であるかどうか疑わしくなってくる。
トウルーズ「エミール・ゾラ―医学的心理学的調査」E.Toulouse,[Émile Zola,Enquête médicopsychologique](Paris,1896)
強迫症候の分析例
精神医学「優秀性変質者(Dégénerés superieurs)」という逃げことばを作った。
↕
精神分析は強迫症状を他の病気と同じように、永久に除去することができる経験をしている。
ここで強迫症候の分析例を二つだけ話したい
- これ以上見事な分析例はない古い観察例[P32,10-]
| 解釈 |
- 患者が夫と自分を同一視
- ベッドとシーツ、テーブルとテーブル掛けを代理している
|
| 脅迫行為の意図 | 実際の心的感じと逆の感じを合生しようとしている |
| 「私は皆さんがこの実例をじっくり検討なさることを望みます。」 |
| なぜなら、実例に本来すべての症例に備わっているとは言えない諸条件が含まれているからです。 |
| 症候の解釈 | 患者自身によって一挙に見出された。幼児期に関係する体験ではなく、女盛りの時機の消え難い記憶である体験。 |
|---|
- 最近得た観察例[P37,11-]
| 解釈 |
|
就眠儀式の一例:「広場恐怖(Agoraphobie)」と強迫神経症 |
- 正常者もそれを満たさないと眠れないような条件を作るのに固執している
- 正常者も覚醒生活から睡眠状態に移行する場合に形式の力を借り毎晩繰り返している。
- 健康者が眠りに着くため要求する条件は、合理的に理解される
- 外部事情によって変更が必要となった場合、容易かつ即座に順応する。
|
| ↕ |
- 病的な儀式は頑固で最大の犠牲を払っても強行され、合理的理由があるかのような仮面がある。
|
| 表面的な観察 | 過度の細心さが認められる点だけが正常者と違っている |
| 詳細な観察 | 合理的な理由とはかけ離れた諸規定、直接矛盾する他の諸規定を含んでいる |
| 患者の用心の動機 |
- 静かさのため騒音のあらゆる原因を除かねばならない
- 時計を全て室外に
- 植木鉢と花瓶を机の上に
- もっとも重大な規定はベッド、クッションの配置
- すべてがきちんとなされていないかという心配でもう一度繰り返し、一、二時間かかる
|
| 症状の回復 |
- 提示された可能性に潜心し、間に脈絡を着けようとし、自分自身の作業を通じすべての解釈を容認し、強迫行為をやらなくなった。
|
分析作業の注意点
- 分析作業は個々の症候が解明され尽くすまでは、それらを論理的に徹底して扱うことは避けるべきだということ。
- 一般にテーマは途中で繰り返し放棄されざるを得ないので、他の諸関連から新たにそのテーマに立ち戻る方が安全。
- 症候解釈はさまざまの分析結果を総合したもので、結論を得るまでは数週間、数カ月もかかる。
「去勢に対する頭部切断の象徴(Die Symbolik des Köpfens für kastration)」
- 儀式の諸規定が性的願望をある時は積極的に、ある時は消極的に再現し、一部分は性的願望を代理するために、一部分は性的願望を阻止するために役立っていることも重要
二つの実例から
神経症の症候には失錯行為や夢と同様に意味が含まれているということと、神経症の症候が患者の体験と密接な関係を持っていることとを示した。
早発性痴呆(ユング)
「神経症の症候の分析と解釈と翻訳とに精神分析医たちが関心を奪われてきた結果神経症の他の諸問題はこれに比べるとさしあたり等閑に付されがちだった。」
| 症候の意味とは… | 患者の体験と関係を持っている→症候が個人的である程、容易に関連性を突き止められる |
| 分析で課題となるのは… | 「無意味な観念」「無目的な行為」に対し、正当、目的に合う過去の状況を見つけ出すこと |
| その疾患の定型的な症候… |
- 個人的差異は消失もしくは少なくとも減少している
- 症候を患者の個人的体験と結びつけ、関連付けるのが難しい
- ②の就眠儀式→定型的ではあるが「歴史的解釈(historische Deutung)」を可能にする個人的特徴を持つ
- 強迫患者は動作を反復し、所作をリズム化してそれを他の所作から孤立させる傾向を備えている。
- 同種類の症状を基礎にしてその上に個々の患者の個人的条件(個々の症例によって相互に直接矛盾し合う)を置く
|
| 定型的症候 |
- 疾患固有の病的変性の性質、一般的反応→ヒステリーの場合たくさんある
- ヒステリーの場合、これを「歴史的な体験へと還元すること(die historische Zurückführung)」に抵抗するように見える
|
診断の方針を立てるのは、「定型的症候」に従ってであることを忘れてはいけない。
診断の例[P48,6-12]
すなわち私は「個人的症候」と「定型的症候」との間には基本的な相違はほとんど認められないのだという点を十分に検討して皆さんの疑念を取り払うように努めたいと思います。
- 夢学説においても全く類似した困難さ(夢の講義では触れなかった)
→「神経症と同じ定型的な夢」(多様性、個人的相違はある) これが個人によって異なる付加物を付け活性化される
章のトップへ
第十八講 外傷への固定、無意識
章のトップへ
第十九講 抵抗と抑圧
章のトップへ
第二十講 人間の性生活
章のトップへ
第二十一講 リビドーの発達と性的体制
章のトップへ
第二十二講 発達および退行の観点、病因論
章のトップへ
第二十三講 症候形成の経路
章のトップへ
第二十四講 普通の神経質
章のトップへ
第二十五講 不安
章のトップへ
第二十六講 リビドー理論とナルチシズム
章のトップへ
第二十七講 転移
章のトップへ
第二十八講 分析療法
章のトップへ
トップへ戻る
語彙
| 語彙 | ドイツ語 | 出現箇所・説明 |
| 失錯行為 | Fehlleistung | P18-19 |
| 言い違い | Versprechen | P18-19 |
| 読み違い | Verlesen | P18-19 |
| 聞き違い | Verhören | P18-19 |
| 失念 | Vergessen | P18-19 |
| 置き忘れ | Verlegen | P18-19 |
| 紛失 | Verlieren | P18-19 |
| 過失 | Ivrtümer | P18-19 |
| 前響 | Vertauschung | P29-31 |
| 後響 | Nachklang | P29-31,P78 |
| 混淆 | Vermengung,Kontamination | P29-31 |
| 前後倒置 | Vertauschung | P29-31 |
| 代理 | Ersetzung,Substitution | P29-31 |
| 取り違い | Verwechseln | P23 |
| 掴み違い | sich vergreifen | P23 |
| 意味 | Sinn | P41- |
| 意図 | Absicht | P41- |
| 動向 | Tendenz | P41- |
| 反対意志 | Gegenwille | P92 |
| 偶発行為 | Zufallshandlungen | P74 |
| 症状行為 | Symptomhandlungen | P74 |
| 後作用 | Nachwirkung | P78 |
| 刺激夢 | Reiztraum | |
| 加工 | Verarbeitung | P125 |
| 展開 | Darstellung | P125 |
| 解釈 | Deutung | P125 |
| 加工 | verarbeiten | P126- |
| 暗示 | anspielen | P126- |
| 夢の作業 | Traumarbeit | P126- |
| 白昼夢 | Tagtraum | P129-131 |
| 決定論 | Determinismus | |
| 動因 | Antrieb | |
| コンプレックス | Komplex | P147- |
| 無意識的な | unbewusst(unbewußt) | P153 |
| 刺激語 | Reizwort | P147- |
| 反応 | Reaktion | P147- |
| コンプレックス派生物 | Komplexabkömmling | P148- |
| 抵抗 | Widerstand | P157-158 |
| 無意識的な夢の思考 | unbewußte Traumgedanken | P165 |
| 幼児型 | infantil | P173-174 |
| 夢の刺激原因説 | Reizätiologie | P177 |
| 睡眠の妨害者 | Schlafstörer | P178 |
| 睡眠の庇護者 | Schlafhüter | P178 |
| 成人の要求夢 | Bedürfnistraum | P186 |
| 待ち遠しい夢 | Ungeduldstraum | P186-187 |
| 便利な夢 | Bequemlichkeitstraum | P186-187 |
| リビドー(快感の追求) | Libido | P199 |
| 移動 | Verschiebung | P196,P245 |
| 象徴 | symbol | P211 |
| 夢の象徴 | Traumsymbol | P212 |
| 代理 | Ersetzung,Substitution | P214 |
| 描写 | Darstellung | P214 |
| ほのめかし | Anspielung | P214 |
| 比較 | Vergleich | |
| 象徴の解釈 | symboldeutung | |
| 解釈作業 | Deutungsarbeit | P241- |
| 濃縮 | Verdichtung | P242 |
| 短い序段の夢 | Vortraum | P250 |
| 主要夢 | Haupttraum | P250 |
| 太古的なもの | archaische züge | P255 |
| 二次的加工 | sekundäre Bearbeitung | P257 |
| 自慰コンプレックス | Onaniekomplex | P265 |
| 歯の刺激による夢 | Zahnreiztraum | P265 |
| 太古的 | archaisch | P284 |
| 退行的 | regressiv | P284 |
| 幼児期健忘 | kindheitsamnesie | P286 |
| 隠蔽記憶 | Deekerinnerung | P286 |
| 死の願望 | Todeswunsch | P288 |
| 誰かを亡き者にしたいという願望 | Brseitigungswünschen | P291 |
| エディプス・コンプレックス | Ödipuskomplex | P296 |
| 去勢コンプレックス | kastrationskomplex | P297 |
| 性的なもの | Sexualitäz | P298 |
| 倒錯 | Pervers | P298 |
| 多形性倒錯 | Polymorphpervers | P298 |
| 理性的なもの | das Vernünftige | P302 |
| その時だけ潜在的であったもの | das derzeit Latente | P303 |
| 願望充足 | Wunscherfüllung | P307 |
| 不安夢 | Angsttraum | P309 |
| 不安 | Angst | P311 |
| 目を覚まさせる夢 | Weektraum | P313 |
| 不快夢 | Unlusttraum | P313 |
| 懲罰傾向 | Straftendenz | P315 |
| 瞠視欲 | Schaulust | P317 |
| 好奇心 | Neugierde | P317 |
| | |
| | |
| | |
| | |
| | |
| | |
通常単語
| ドイツ語 | 日本語 | 説明 |
| verwechseln | 取り違える | |
| sich vergreifen | 掴み違える | |
| anstoßen | 乾杯する | |
| aufzustoßen | げっぷする、嘔吐する | |
| Begleiten | お伴する | |
| Beleidigen | 辱める | |
| geeignet | 適している | |
| geneigt | 傾いている,気が進む | |
| Versuchungen | 誘惑 | |
| Versuch | 実験 | |
| patzen | ぞんざいな仕事をする,しくじる | |
| Patzer | 粗悪品,へま | |
| dauert | 続く | |
| traurig | 哀しい | |
| vorschein | 出現 | |
| Schweinerei | 猥褻 | |
| Schweinereien | 猥褻行為 | |
| Apropos | ついでに、時に | |
| | |
| | |
| | |
| | |
| | |
| | |
| 英語 | 日本語 | 説明 |
| begging the question | 論理学的過失のこと。論点無視の虚偽 | |
| | |
トップへ戻る